2010年09月17日

Posted by keichen
at 21:19
Comments(2)

ウィーン

Wieder, La Bohème

友人からチケットをもらって、またまた
「ラ・ボエーム」観劇して来ました。
僕にとってはラッキーだったのですが、
なんと平土間席です。先日の立見席の
60倍ほどの席です。いやはや。

Wieder, La Bohème
↑席からの様子はこんなかんじ。
 舞台がこんなに近いのです。↓
Wieder, La Bohème


オペラは総合芸術といわれますよね。
やっぱり舞台もちゃんと見られたら、ひとつの
プロダクションとしての奥行きが断然広がります。
当たり前ですね。。

天井桟敷の側面席からはまったく見えない、舞台の
装置や美術、人の動きなど、全部残らずこの目に
収めようと、また前回に引き続きテクストにも注目
したいと思って字幕も追いつつ(イタリア語の原語
上演なので、独語と英語の字幕が出ます)、と
上演中頭はフル回転でした。笑

ボヘミアンたちが暮らすパリのアパルトマンの屋根裏
部屋はこんなセットなのか。しかし天井はかなりボロ
だよなあ。
お、月の光ってほんとにミミにあたってるよ。(第一幕)
とか、
カフェモミュスってカルティエ・ラタンにあるんだ。
舞台セット奥には、アパルトマンがカフェのある広場を
囲んでいたのか。(第二幕)
とか、
てか、この間合いだったら音楽に合わせるためには
ミミに駆け寄ってくれないと、タイミングがもったい
ないよなぁ。
ああ、ここでカーテンを引くのか。(第四幕)
とか、とか。

ゼッフィレッリの舞台美術と演出による生気溢れる
舞台、素晴らしいです。


ちょっと話題がそれますが、第三幕は雪の中の
別れのシーンです。以前ウィーンのもう一つの
オペラ座、フォルクスオーパーのボエームの演出で
使われていた、第三幕の小道具のベンチ。
背もたれを真ん中に両側に腰掛けることのできる形
で、演出ではミミとロドルフォが背中合わせに
腰を掛けつつ、別れ話をします。

実はパリのシテ島に、そんなボエームの三幕の
シーンだと思わずにおれない広場があります。
そこには、背中合わせに腰掛けられるその小道具と
全く同じベンチが、なんというか独特の緊張感で
置かれているのです。パリ中心部の喧噪の中、その
広場だけぽっかりと穴の空いたような、不思議な
静謐感があります。
パリのお気に入りの場所です。


さてさて、昨日の指揮はメスト新監督ではなく、
今シーズンウィーン国立歌劇場デビューとなった
フランス人指揮者でした。非常に生き生きとした
音楽をつくっていて、しかも重要なところでは
しっかりと歌手の呼吸を読み取って振っているな、
と思いました。
ただ、後半の三幕四幕は、ドラマチックな音楽の
たかぶりはありましたが、それでいつつ全体を
ぎゅっと締めるというところにおいて、メスト監督
の方がその手法に長けているのかな、という感想も
持ちました。

それにしても、ミミを歌ったストヤノヴァさんの
うまかったこと。
友人でウィーン在住のオペラ歌手Kさんのブログ
にもミミが素晴らしいとあったので、昨日は注目して
聴いていました。声の存在感は、先日聴いた時から
ずば抜けていると思っていましたが、各フレーズを
いろんな音色で歌い分け、「なぜそうするのか」が
ちゃんとわかる、音楽的な裏付けも感じさせ、
演技もうまい、と、すごかったです。

いやー、オペラ。物質的にも人間力としても
圧倒的なエネルギーが必要な芸術ですが、
ほんとうに奥深いです。
そして、「これは良いんだ!」と言い切って、
これだけのものを上演することを続けていく、その
エネルギーと、それが出来るという仕組みについて、
幕間の休憩中に思いを馳せていました。

さあ、休憩中はカフェテリアです。笑
Wieder, La Bohème
Wieder, La Bohème
豪華の部。笑
フォーマルにおしゃれをして、楽しそうですね。

Wieder, La Bohème
このくらいが僕には落ち着きます。笑
Wieder, La Bohème
メランジェを飲みつつ、いろんなことが頭を
めぐりました。

それにしても、舞台の上だけが劇場ではありません。
休憩中はカフェなど、聴衆が主役の舞台に変わります。
ほんとうに様々な人がいて、観察してみるとおもしろい
ですよ。



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この記事へのコメント

渡久地様

「ラ・ボエーム」の写真付きレポ、ありがとうございます!
(写真苦手らしいのに ^^;)
普段、オペラとは無縁の生活を送っているので、
とても新鮮な感じで読んでます!
カフェコンサートのトークでは、
会場内や、人々の雰囲気をイメージしながら聞いていました。
でも、やはり、写真は一目瞭然ですね。笑

オペラのストーリーが分かれば観劇もまた一段と面白いことはもちろん、
カフェで話されていたように、演奏しているオケの様子や裏話、
お客さん達の雰囲気を想像しながら見るのもまた、
そこでしか味わえない楽しみの1つでしょうね!
会場の一番上の隅から、全体を見渡す席が私は楽しめそうです。笑

ストーリーの進み方と重なって演奏されるオケの盛り上がり、
第3~4幕も切なそうですね。
また、ストーリーに合わせて、表には見えない色んな人たちのプロ根性や
小道具の活躍、歌手の歌い方の使い分け、などなど。。
様々な要素を知らずに舞台だけを見るのと、
裏話まで分かって説明付きで(笑)見るのとでは、深みが全然違いますね!

オペラとは無縁な私ですら、見てみたくなりました。
とぐちさんは、カフェトークの時も思いましたが、
曲の背景や雰囲気の「感じた」事を、言葉や文章で伝えるのが上手いですね。
すごくよく伝わってきますよ。

上の階のフェテリアから見る、お客さんもなかなかおつですね。
また、下カフェのゴージャスカフェも、
カフェに見えないくらい素敵で好きな雰囲気です。
でも、やはり、私は端から全体をのんびり眺めているのが好きかも。
メランジェおいしそうです。

夜景や照明のある室内の写真って、ブレやすかったり、
モードを触りすぎて逆に暗くなったり
なかなか難しいと思いますが、
レポ写真は、キレイに撮れていると思います (^^)
私は、旅先で写真を撮るのが好きなので、結構、こだわって見てしまいます。

Posted by Clair de Lune at 2010年09月19日 14:38

>Clair de Lune 様

書込みどうもありがとうございます。
返信遅くなってしまってすみません。。

オペラ、もちろん人それぞれで好き嫌いも
あると思うのですが、いろいろな条件の
揃ったなかでのオペラ体験は圧倒的な
ものがあります。

実は初めて観たオペラが「ラ・ボエーム」
でした。高校生の時に沖縄で。
それ以降、このオペラには恋をして
しまっている感じです。笑

写真は、まったく不慣れで、最近あちこちで
写真を撮っていると、ウィーンの友人たちに
いきなり日本人ぽくなったね、と笑われます。
(普段は旅行でも写真を撮らないので… 笑)

Posted by トグチ at 2010年10月25日 16:19
 
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